2011年02月27日

『Rabbit Hole』

傷つき方は皆それぞれだけど、誰もが苦悩している。


Rabbit Hole

この映画は幼い息子を自動車事故でなくした夫婦の物語。

かわいい息子が目の前でいなくなる現実、それは
想像できないものだと思う。
家の中には彼が生きていた痕跡がいたるところに残っていて、
日々家で過ごす彼女にはそれが苦痛なわけだ。
彼女は悲しみとともに怒りを感じている。
そんな彼女にはグループセラピーも無効。
だって彼女は毎日ビデオを見て悲しみにくれるタイプでもないから。
周りもみんなどう接していいのかもわからず、
彼女自身も深みに嵌っている。

対照的な夫は悲しみを引きずり前へとは進んではいない。
セラピーも8年もたっても何もかわりやしないのなら、と
思う妻とは全く違う。

そんな中彼は息子を殺した加害者でもあるジェイソンと
交流を深めることになる。
彼自身も苦しんでいることは彼女に伝わるのだが、
やっぱりプロムなんかへ行く彼を(しかも車に乗って)見るのは
辛すぎる。幾ら前に進もうと、そしていくら加害者を理解しようと
努力しようと、この何事もなかったように生きる彼を見ると
怒りがこみあげるのはそりゃ当たり前だと思う。

一見女性らしく、立派に主婦業をしている彼女に見えるけど
芯はそこらへんの男性よりもずっと強いんだろうね。
「あなたは仕事に行くからいいけど、私は毎日ここで戦っている」
という彼女の気持ちは、多分彼がオープンハウスをしたときに
伝わっていると思う。だから彼は勝手に入ってきたジェイソンに対しても
過剰に反応したのかな、とも思った(勿論さまざまな複雑な気持ちがあった
のは理解できるけど。タイミングも悪かった、と私は思う)

勿論彼の悲しみ方もすごくよくわかる。私もどっちかというと彼に近いかも。
(かといって絶対に神様が連れて行ったとは思わないけどね)
彼がよく遊んでいた犬(名前は?犬、としか言ってなかったような?)
に当たって犬がキャンと鳴き、その悲鳴に悲しくなって泣き崩れる姿が
本当に切なかった。彼も苦しんでいる、妻と同じようにね。

加害者のジェイソンの描いた漫画も非常によく出来ていたな。
ウサギの穴、もうこれは「アリス」からきたものだとはすぐわかるが、
いったいその中には何があるのかな。パラレルワールドがあって、今でも
息子は元気にいるのかな。これは加害者の彼が自分の罪としっかり
向き合っている証拠でもある。でもそれを認めるベッカの懐の大きさに、
私は感動しました。多分私じゃ無理かもしれない。

それだけにラストの二人のこれからの姿に希望を持たずにはいられない。

ニコール・キッドマンは自分からアプローチしただけにこの役はぴったり。
毅然として、でも傷ついて。優しい母なのだ。(ラストに友人の子どもを抱きかかえる
姿に彼女が息子をどうやって抱いていたのかが伺える)
この役は「自分のもの」だと思ったんだろうね。はまり役でした。
アーロン・エッカートは私とても好きなんですがこの役もよかったなぁ。
そして何より加害者の新人君もよかったです。彼もいい「脇役」として成長しそうです。

ジョン・キャメロン・ミッチェルは私の大好きな監督の一人。
彼の視線は柔らかで繊細でそして鋭い。
この監督には適任だったかなl。

これで『Winter's bone』を除くほかの主演女優賞の演技を
すべて見ましたが、

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ちなみに

アネット・ベニング
(「キッズ・オールライト」)
ニコール・キッドマン
(「Rabbit Hole」)
ジェニファー・ローレンス
(「Winter's Bone」)
ナタリー・ポートマン
(「ブラック・スワン」)
ミシェル・ウィリアムズ
(「ブルーバレンタイン」)

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これはもう私、二コールに勝ってもらいたい!!
ナタリーの『ブラック・スワン』に関しては作品としては非常に評価しますが
主演女優となると私はちょっと懐疑的です。
だっていつものナタリーだったんだもの。
ミシェルも非常に良かったけど、ここは二コールだな。
頑張れ。二コール!!!

ああそれから、再生という視点では『Hereafter』とも似ていますね。
でもこっちのが現実的〜。
posted by minori at 18:02| 宮城 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画「や・ら・わ」行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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