2011年02月15日

『Hereafter』

Hereafterという単語には
「あの世」とか「来世」という意味もありますが、
私はあえてこの映画では「先のこと、これから」の意味合いが
強かったんじゃないかと思います。
やっぱり、クリント・イーストウッドなだけにどっしり地に足がついていた。

Hereafter
Hereafter

変な風に宗教なんかを絡めると、これはきっとニコラス・ケイジの
『Knowing』みたいになっちゃうんですよね、きっと。
何だかあまりしっくりこない感じにアメリカではこの映画、そんなに
売れなかったようですね。

敢えてあの人たちがどうなったとかこうなったとか、
死後の世界ばかりにフォーカスを当てずに、生きている人たちの
苦悩や悲しみを描いたこの作品、私はとても好きでした。

マットが演じるジョージ。
贈り物ではなく、呪いなんだ、という言葉が、悲しいですよね。
彼は普通になりたいのに普通になれない、
アニキは「どうせ普通になれるわけでもないからさ、利用したらいいのに」
という無責任さ。これはこんな能力がないから誰にも理解し得ないもんだよね。
そこに足元を見た(養うものがないから)依願退職って、
そういう災難にあっちゃう彼のことを思うと最後の妄想も
理解してもらえる人だからね、期待しちゃうよね、と思っちゃう。
個人的にはあのシーンはどうかと思ったけど。(いらない?)

マリーに関しては成功者だっただけに(笑)あまり深く思いを入れてみることが
出来ませんでした。でもこの人も繊細ないい人なんだよね。
子どもを助けようとした行動でも彼女の人となりが伺えるだけに。

そしてやっぱり気になる双子のエピソード。
ある日突然、当たり前のようにいた人がいなくなったら
誰もが耐えられないはず。それをあの小さな子が一人で向き合おうとする
その真摯なまなざしがせつなすぎる。
双子は特につながりが強いから帽子のエピソードだって
(あのシーンがいるかいらないかについては賛否両論あるだろうけど)
実際にありそうな気がするもの。

どうだろう、うちのジイさんは昔、日本で起きた大きな電車の事故に遭遇しています。
乗る車両を間違えていたら彼は間違いなく死んでいたそうです。
そんなじいさんはその電車に乗る前に「昔の同僚にあって」そっちの車両に
変えたそうです、だけど、じいさんはその同僚を見つけられなかった。
数年後に聞いたところ、その同僚はとっくに戦争で亡くなっていたそうです。

信じるも信じないもその人次第。私は基本的に現実主義者だから
そういう話には懐疑的ですが、ただうちのジイ様、そのほかに二度も命拾いを
しているんです。彼は単なる「強運の持ち主」だったのか、それとも
「何かを感じることが出来る」人だったんだろうか。

まぁまぁそういうことも思い出しつつ、双子のアニキのしゃべり方には
思わず笑ってしまいました。

実際に双子ちゃんなんだそうですね。片方出番少なくて、ちょっと気の毒?

そうそう最後に、音楽、音楽。
オープニングから音楽が印象的だった映画でした。やっぱりイーストウッドらしい。
イタリア料理のオペラもよかったです。

あ、料理教室、私もいってみようかな(笑)

*まさかこの映画を見たときにあの地震と津波が自分の町でおこるなんて思っても
みませんでした。本当に悲しい出来事ですし、私自身、たまたまずっとオーストラリアに
いるだけで、故郷はいつでも仙台のままです。
しばらくこの映画のオープニングのシーンの夢も見たりしました。
だからやっぱりこの映画は地元の友達には絶対おススメできません。
本当は希望に満ちた作品なだけに、とっても残念なんですけれど。

被災者の皆様、本当に大変な時間を過ごしていると思います。
何もできない私ですが、皆様のことは毎日考えています。

こちらのブログでオーストラリアからのみんなの気持ちを私とオーストラリア人の
友人で綴っています。世界は繋がっています。
どうか、どうか気持ちをしっかりして、また新しい明日を見つけていきましょう。
ブログはこちらです。

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posted by minori at 21:02| 宮城 ☀| Comment(4) | TrackBack(6) | 映画「は」行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。ご無沙汰しています。
コメントありがとうございました。TBもお送りいただいたと思うんですが、
どうやらこちらで受信できてないみたいで申し訳ありません。
特に設定などしてないんですが、相性が悪いところがあるようなんです。

これ、思った以上に酷評が多いんですが、わたしはとても好きでした。
観た後になってじんわり効いてくる、これもイーストウッド監督らしい作品だったと思います。
それから、お爺様のこと。そういうお話って、時々聞くことがありますね。
本当のところはどうだかわからないけど、それならそれでいいじゃないの、と思います。
死んだら終わり、でもいいし、しばらく漂ってるでもいい。いつまでも見守っててくれてる、でもいい。
要は、生きている人間の心を強くしてくれるのなら、嘘でも本当でも構わないと思うんです。
Posted by 悠雅 at 2011年02月20日 22:30
悠雅さま。

お久しぶりです。遊びにきていただいて嬉しいです。
TB、おかしいですねぇ。またチャレンジしてみますね。

これは酷評が出る映画ではないかなぁと確かに思います。
アメリカでも評価されていないですもんね。アカデミー常連の
クリント氏も今回はダメだし。
でも私は好きでしたよ。
じいさまはそれなりに長く生きているので色んなことが
あったようですが、彼はいわゆるドラマクイーンなので
どこまでが本当なのかは疑問です。ただ、たとえ誇張していようと、
私は彼の話を聞くのが好きでした。それは物語であって、
ある意味現実でなくてもいいかな、と。

ジョージは本物だったけど、でも現実だったら
判断できないですもんね。
そうそう、悠雅さまのところに書いたメラニー。
メラニーは過去に酷いことがあったようですが、
私はそんな重要な話の前に「男を引っ掛けるぞ」オーラが
ムンムンとしていた彼女があまり好きではありませんでした(笑)
きっと実は深いキャラだったんだろうなあ。
Posted by at 2011年02月21日 20:18
幽霊はいないけど、妖精はいるよね?
イーストウッドの映画でまさかこんなにフランス語がきけちゃうなんてびっくり。
セシルという人選がまたなんか面白いなぁと。
ハリウッドならマリコテとかになっちゃいそうなもんだけど、それだとブライス嬢の味が薄まっちゃうからかしら?
霊感商法みたいなのが蔓延る世の中で、本当にそういう能力をもっている人はつらくて、それでじゃんじゃん儲けるなんてできるはずないんだよ、そういうのやってる奴らは偽物だよ、的なことを描いていたところにもヨシヨシと思いました。
まぁあれこれヘンで面白く、知らぬ間に感動させられちゃった感じですー。
Posted by かえる at 2011年02月28日 00:09
かえるさん。

妖精は幽霊よりもいてほしいものですね。
ヤマト(愛犬)の妖精が漂っていてほしい。

フランス語は私も意外でしたー。
セシルも意外でした。他にいっぱいいるなかで
演技派な彼女が選ばれていてある意味よかったと
思いましたがねー。でも彼女のパートにはあまり
感情移入できなかったんですけどね。

本当に能力を持っている人がいるか、と言うこと時点で
私はすでに懐疑的でしたが、これを見て、
確かに「儲ける」ためには使えないよな、と思いました。
あの台詞がやっぱり重要でしたよね。

私はこの映画、非常によかったと思ったんですが
やっぱり賛否両論ですねぇ。
Posted by minori at 2011年03月01日 22:24
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